アシネトバクターをはじめとする各種多剤耐性菌のまとめ Q&A [アシネトバクター 多剤耐性菌 まとめ Q&A]
各地の大学病院を中心に複数の医療機関で発生している
多剤耐性菌ですが、菌にも複数の種類が報告されており、
混乱する方も多いかもしれませんので、
この時点での情報をQ&A形式でまとめてみました。
1.なぜ多剤耐性菌は発生したのか?
抗菌薬を大量に使ったからです。むやみやたらに抗菌薬を使用した結果、
抗菌薬に耐性を持った菌が生き延びたってこと。
2.多剤耐性アシネトバクター(MRAB)が広がった経緯は?
世界では2000年ごろから広がり始め、日本では2008年~福岡大学病院や
愛知医科大学病院などで発見され始めてきた。
3.多剤耐性アシネトバクター(MRAB)とは?
アシネトバクター自体は土や水中、あるいは人の皮膚などにいる一般的な菌。
それが抗菌薬に耐性を持ったもの。健康な人には無害と言われている。
病気の人は肺炎や敗血症の危険がある。
4.多剤耐性緑膿菌とは?
緑膿菌自体はアシネトバクターと同じように土や水中にいる一般的な菌。
それが抗菌薬に耐性を持ったもの。緑膿菌も健康な人には無害と言われている。
病気の人は肺炎や敗血症の危険がある。
5.新型スーパー耐性菌とは?
抗菌薬を分解するNDM1という遺伝子を持った新型の多剤耐性大腸菌のこと。
インドやパキスタンから広がり始めた。ベルギーでは死者も。
新型スーパー耐性菌が多剤耐性アシネトバクター(MRAB)や
多剤耐性緑膿菌と異なる点は、健康な人でも膀胱炎や敗血症を起こすことがある点。
6.多剤耐性肺炎桿菌とは?
九州大学病院で発見されたKPCというNDM1と同じように抗菌薬を分解する遺伝子。
国際的にも動向が注目されている。多剤耐性肺炎桿菌は健康な人に無害と言われているが、
抗菌薬を分解する遺伝子なので健康な人にも害があるかも。
病気の人は高熱や多臓器不全の恐れあり。
詳しくはコチラ
↓
ウイルス・細菌と感染症がわかる(WJ18)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100911-00000082-mai-soci